松岡修造さんの「元気が出る話」

本日は、大好評の「ゆほびか」4月号「富士山 霊峰の癒し力」特集から、
松岡修造さんの「元気が出る話」をご紹介させていただきますね。
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富士山は僕のパートナー!富士山に見守られ試合や講演会の緊張をほぐしている
プロテニスプレイヤー 松岡修造

富士山の写真で
恐怖心を勇気に変えた

 街で皆さんに声をかけていただく際、僕はよく「松岡さん、活を入れてください!」と言われます。きっとテレビの中の僕が、エネルギッシュに見えているからでしょう。
しかし本来の僕は、人一倍ネガティブで、精神的にも弱いほうです。家族やマネージャーの目に映る姿は、皆さんの印象とはずいぶん異なっているのではないでしょうか。
そんな僕が、別人のようにポジティブになれる秘密は、富士山にあります。テニスプレーヤーとして、トッププロの仲間入りを果たせたのも、富士山あってのことだと言えます。
テニスに限らず、なにごとも頂点を目指すには、技術のほかに気持ちの強さも欠かせません。そのため現役時代には、僕も多くのメンタルトレーナーに師事しました。
そのなかで、あるトレーナーに座禅を勧められたときのことです。
「なんでもいいから好きなものを思い浮かべ、座禅の間は、そのイメージに集中しなさい」
 こう言われ、パッと頭に浮かんだのが、富士山でした。
実際に富士山をイメージしながら座禅を組んでみると、無我の境地に入りやすく、集中力が増すのを感じました。
イメージを重ねるうち、威風堂々とした富士山が、いつもそばで見守ってくれているような気がしてきました。そのおかげで、弱気だった心も、徐々に変化していきました。
なかでも富士山の力を強く感じたのは、テニスの試合の直前です。緊張がピークに達すると、逃げ出したくなるほどの恐怖心が生まれますが、富士山を思うと、不思議と勇気が出てきます。
「もっと富士山を身近に感じたい!」という思いから、気に入った富士山の写真を持ち歩くようにもなりました。海外を転戦する際は、必ずバッグに忍ばせていたほどです。
日本を離れると、コートに立ったときの孤独感はいっそう大きくなります。そんなとき、試合会場で日の丸が目に飛び込んでくると、ホッと安心し、エネルギーが湧いてくるものです。富士山は、そんな日の丸と同じような力があるのかもしれません。
 また、富士山のなにがあっても動じない、その凛とした力強さから、「いつも自分らしくある」ことも学んだように思います。
富士山は、直接語りかけてくれるわけではありませんが、行き詰ったときには、富士山をイメージして無になることで、自分と対話します。そうすると、前に進むための自分なりのやり方がひらめくこともよくあります。
富士山を通して、辛く苦しい状況を打開したことは数えきれません。僕にとって富士山は、オールマイティなメンタルトレーナーのような存在でもあるのです。

富士山のように
人を応援したい
現役だったころに富士山に応援してもらったことも影響しているのかもしれませんが、現在は、「今度は自分が人を応援する」というのを生きがいとして、活動しています。
ありがたいことに、北京オリンピックロンドンオリンピックでは、日本代表選手の応援団長を務めさせていただきました。ソチオリンピックへも、キャスターとして現地に行かせていただきます。みなさんに選手のがんばりをお伝えする立場ではありますが、選手の皆さんを現地で応援することができる幸せも感じています。
富士山は、いわば日本全体の応援団長みたいなもの。富士山は多くの人を元気にしたり、癒しをもたらす存在だと思います。
自分もそんなふうになれたなら、これほど嬉しいことはありません。
(後略。松岡修造さん談。ゆほびか4月号「富士山 霊峰の癒し力」40〜41pより)

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富士山をイメージすると、確かに胸があたたかく、力が湧いてくるようです。お試しください。