「月明かりは、暖かい」

若き登山家、栗城史多さんと、作家の本田健さんの、アイウエオーディオ倶楽部での対談を取材させていただきました。

栗城さんが淡々と語る、詩的といってもいい言葉のなかに、この世の極限の世界と、人間の不思議さがありありと描き出されて、まるで映画を見ているようでした。

標高数千メートルの地では、月が出ているときと出ていないときで、体の動きが違うのだそうです。
太陽の光は私たちの体を暖めてくれますが、実は、月の光にも暖かさがある、と。

体の奥から、畏怖に似た念と、感謝を感じたのでした。なにげなく過ぎていく一瞬一瞬や風景に、いったいどれだけの恩恵がひそんでいるのでしょうか。

栗城さんは、私たちは皆、それぞれが、見えない山にチャレンジしていると言います。
強さを目指さなくてもいい、一歩をスッと踏み出すだけの小さな勇気があれば、と。そして、下山の決断も、たいせつなことなのだと。
自分の弱さもありのままに認める栗城さんは、よく光るまなざしも声もとてもチャーミングで、おおいに刺激を受けたのでした。

写真の本は、美しい写真と言葉に満ちた栗城さんの著書。夢を追いかけている人にも、人生に疲れた人にも響く1冊だと思います。
なぜ栗城さんが、数千万もかかる、登頂のインターネット生中継、「冒険の共有」にこだわるのかも書かれています。

ちなみに、栗城さんは今年もいくつかのプロジェクトにチャレンジするそうです。応援したい人はだれでもサポーターになれるとのこと。
http://kurikiyama.jp/

本田先生、栗城さん、ありがとうございます(^^)
ゆほびかでも、対談のエッセンスをご紹介させていただく予定です。